ARTIST COMMENT
いつも詩のことを考えて遊び倒していたら、いい歳になった。ところで、いい歳って何なんだろう。それと、別に個人的にはいい歳なんて思っていない。おそらく世の中的にそう言われるくらいのレンジにいる感じがする。旅の最中で縁をもった別府にて、音声メディアの制作をした。『連環する音と言葉の八つの断片』は、それぞれが独立した作品だが、それぞれが影響しあっている。もたれかかりあっている。夏が暑いと感じるのは、冬が寒いから。春が麗らかなのは、秋が物悲しいから。水があるから乾きがあるし、地面があるから空がある。ちょうどそんな感じで。当初は全編、詩と音楽で構成しようと思ったが、それでは十全ではないと感じ、会話篇を間に入れた。理由は「その方が良い」と閃いたから。できるだけミニマルに、それでいて大きな物を捉えようと思った。手のひらの皺を見ていたら、宇宙と繋がったみたいな。さっき旅と言ったが、これまた自分では旅と思っていない。ただの移動だ。だからいつも帰路のことは考えないようにしている。ずっと移動するつもりでいる。別府には明るさと暗さがある。混沌が定着している。疲れるのに癒される。どっぷり浸かれる。
御徒町凧